東京レトロポリタンク

BL小説家(志望)の男の興味の矛先。

ボートレース多摩川には天使が棲んでいる。

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こんなかんじの

 

去年、ボートレース(競艇)を始めた。

もともと競馬をやっていたのだけど、ちっとも勝てないし、応援していた馬も引退してしまったし……、しかしギャンブルスポーツはやりたいなあと思っていたところ、出逢ったのがボートレース。

始めてみたらすっかりハマって今や競馬はたまにテレビで見るぐらい、実際にお金を賭けるのはもっぱらボート、という日々が続いている。

ボートレースはいい。

6艇しか出ないのでだいたい10頭以上が走る競馬よりは当てやすいし、配当は安いが賭けるお金も少なくて済む。全国24場で365日、常にどこかで開催されているので、スマホで会員登録しておけば気が向いたとき楽な気持ちで遊べる。この会員登録もびっくりするほど簡単だった。

 

とりわけわたしの心を強く惹きつけたのは、「ボートレース多摩川」に棲んでいる「天使」の存在である。

 

 

◆なぜか美少女

 

みなさんは、「ギャンブル場」という場所にどんな印象をお持ちだろうか。

険のあるギラついた目つきのおっさんたちが、耳に赤ペン差して……、殺気立った怒号飛び交う……、鉄火場……、ざわ……、ざわ……。

競馬好きだったころはあっちこっちの地方競馬場を巡って楽しんでいたが、確かにそういう雰囲気の残っている場所もあるにはある。

しかし多くのギャンブル場のファン層は意外と若く、女性客の姿も珍しくない。若い世代の人たちにとって現在の競馬場、そして競艇場は、「鉄火場」の雰囲気が楽しめる程度には残っていて、レトロな設備も愛でることが出来る、けれど安心な遊技場……、といった位置付けが正解であろう。

 

とはいえ、

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こんな二次元美少女までいるとは思っていなかった。

 

彼女はボートレース多摩川のマスコットキャラクター、「静波まつり」嬢である。

二次元美少女の進出は、既にボートレース場にまで及んでいたのである。

 

わたしがボートレースを始めて間もないころ、それまでは開催されていない競艇場の外向舟券売り場(競技が行われる場の外にある、舟券の販売機と実況モニターが置かれた場所)に出入りしているだけだったのだが、休日がボートレース多摩川の開催日と重なっていたため、初めて実際のレースを見にボートレース多摩川へ足を運んだ。そこで出会ったのが、静波まつり嬢である。

 

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なにごとか。

 

 

◆「ボートレース×静波まつり」の活躍がえげつない

 

これは私事なのだが。

わたしは長らくボーイズラブ小説を書いていた。まったく芽が出ることはなかったのだけど、数年前ありがたいことに知り合いのライターである斎藤充博さんにお声を掛けて頂いて、(斎藤さんの結婚式の二次会にBL小説家志望として行ってきた。 - 東京レトロポリタンク)斎藤さんを題材にした小説を手掛けたことがある。これが某ニュースサイトにも取り上げられて、これまでの人生では考えられないほどの多くのかたの自分の文章を読んでいただけるという僥倖に巡り合ったのだが、あれから少ししてボーイズラブ小説に行き詰まり、悩んだ挙句美少女を題材にした小説を書くようになっていた(成人向けの小説なのでリンクは貼らない)

書く題材を変えるということは、その題材について新しく勉強するということであり、そういう類の勉強を始めて間もないころというのは新しい発見が多くてとても楽しい時期であることはご理解いただけるだろう。わたしがボートレース多摩川に初めて足を踏み入れたのは、ちょうどそんなタイミング。二次元美少女への知的好奇心が旺盛になっている時期、そしてボートレースを始めてまだ日が浅い時期、わたしは静波まつりと出逢ったのである。

 

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金髪美少女、みんな大好きですよね

 

静波まつりは年齢不詳の「アイドルレーサー」という設定である。これはボートレースのCMで大々的に言われているからみなさんもご存知の通り、ボートレースは男女の差なくガチ勝負が行われている。この美少女は可愛い顔してレーサーなのである。

静波まつり嬢がレーサーを目指し、デビューを果たし、悲願のタイトルを獲得するまでの道程はほのぼの4コマで描かれている(ボートレース多摩川オフィシャル - 特集・データ)。

「ボートレース×二次元美少女」だけでも驚きだったが、そこにほのぼの4コマまで加わるとは。とっても可愛いのでぜひ読みに行って頂きたく思う。

 

そして有名なコスプレイヤーであり、一時期はコンビニの店内CMで可愛らしいお声を披露されていた、しかもつい先日ドラマに出演し女優としてもデビューを果たされたえなこさんが静波まつりコスプレでまばゆいばかりの麗姿を披露されておられる。

ボートレース×二次元美少女×ほのぼの4コマ×コスプレ……。

 

更に、静波まつりはつい先日Vtuberデビューも果たした。

静波まつりのまつりちゃんねる

https://m.youtube.com/channel/UCg9mlxiEev-8xIg0rDAwlKA

ボートレース×二次元美少女×ほのぼの4コマ×コスプレ×Vtuber……。

 

なお、過去にはコミケコミックマーケット)に「ボートレース多摩川」として参戦! ちょっと、いやかなりセクシーな静波まつり抱き枕が販売されていたとのこと!

「ボートレース×……」が、とめどない! すごいぞ、ボートレース多摩川

 

わたしはすっかり静波まつりの虜になってしまった。

 

 

◆実況アナも選手もまつり大好き

 

ちょっと熱くなりすぎてしまった。冷静になろう。

ここで、ボートレースの競技の流れについて少しだけ、……ご存知でないかたも少なくないと思うので、ここでご案内させていただこう。

 

ボートレースは6艇によって争われる。水面に設けられた1周600mのコースを3周して、着順を競う競技だ。ファンはどの選手が勝つかを予想して舟券を購入する。

ボートレースの競技における最大の特徴は、「フライングスタート」と呼ばれるスタートのシステムである。ボートレースでは水面上にスタートラインが設けられているが、風や、場所によっては潮の流れなどの影響を受けるため、なかなか全選手が同じ線上に揃うということはありえない。これは静波まつりの苗字の由来ともなっている「日本一の静水面」多摩川とて同じ。そのため、選手たちはスタートラインから100メートル以上も離れた場所からスタート合図を知らせる大時計を睨みつつアクセルレバーを握り、大時計の針が真上、「.00」になる瞬間を目指して加速していく。内側、多くは1〜3コースの艇は「スロースタート」と呼ばれる150mより短い助走距離を取るが、外側の艇はその遥か後方「ダッシュスタート」で200m近い距離から助走を取っていく。

遥か遠くからフルスロットルで走り出した6艇が、ほとんど横一線でスタートラインを通過した瞬間がレースの開始。だいたい全選手が、大時計の針が真上を通過した直後「.15」とか「.17」とか、上手い選手になると「.08」なんかのタイミングでスタートを切る。ここでスタートが早くなってしまうと「フライング」であり、これをやってしまった選手にはペナルティが課される。

スタート時の集中力や反射神経は神がかっていて、いつ見ても鳥肌ものだ。

スタートした選手たち「ターンマーク」ごとに華麗なハンドルさばきで一つでも上の着順を目指して航走する。概ねスタートして最初のターンマークで大勢は決するのだが、それだけにそのターンにおける技の数々には見応えがある。ボートレースはコースの形状上、どうしても真っ先にターンを回れるインコース1号艇が有利な競技なのだが、2コースより外の艇が1号艇とターンマークのブイの僅かな隙間を突いて逆転する「差し」や、スタートを好タイミングで決めてインコースの艇を外から包み込んで抜き去ってしまう「まくり」、更に3コースより外の艇が自分より内の何艇かを外からかわした上で更に他の艇の懐を差して抜ける「まくり差し」といった技で攻めるシーン、……瞬き禁止の熱い技の応酬が見られる。

選手たちはひとつの場で1日に12回行われるレースのうち1つか2つに出走し、着順ごとに付与される得点を稼ぐ。概ね4〜6日で行われるひとつの「節(開催)」の前半の「予選」で稼いだこの得点上位の選手が最終日前日の「準優勝戦」に出場し、ここで上位に入着した6選手によって最終日の最終レース、その節の総決算である「優勝戦」が戦われ、これに勝利した選手がその節の優勝選手ということになる。これがボートレースの開催の流れで、一つの場で大体月に三回ぐらい開催されている。選手たちは開催場を転々としながら戦い続けるのである。

 

日々のレースのいくつかは「企画レース」が組まれている。例えばボートレース多摩川は毎日最初の1レースは「まつりだone」という企画レースで、これは1号艇と4号艇に実力上位の選手が割り振られる。また、1コースだけ、あるいは1〜3コースに実力上位選手が入る企画レースなどもあり、ライトファンにも当てやすいレースが組まれている場が多い。

ボートレース多摩川の開催最終日、優勝戦の日の9レースは、名物レースである。

その名も「静波まつり選抜戦」。

まさかまつり嬢本人が選手を選り好みして走らせているわけでもあるまいが、このレース前の実況は必聴である。

場内実況を担当するのは阿部宣祐アナウンサー。優しくて落ち着いた、とても聴きやすい声のかたなのだが……。これはつい先日行われた「多摩川蛭子カップ」最終日の静波まつり選抜戦における阿部アナの実況の書き起こし。

 

多摩川蛭子カップ、最終日。9レースは……、明日から場外発売、そして7月19日から本場発売再開予定、この報せに『ヒャッホーイ!』とTwitterで喜び爆発、しかし本日6レースの、あの出来事(フライングのスタート事故)で『ヤダー!』と……。ボートレース多摩川の、感情の起伏激しいマスコットキャラクターを冠した、静波まつり選抜戦です」

 

実況アナにまでこのいじられっぷり。実際、ボートレース多摩川Twitterアカウント(@tamagaw70816228)でハートマークを飛び散らせつつ各種情報を呟いているのは静波まつりである。多摩川で行われているレースでフライングが出ると「なにしとんねん、またFかよ」と公式なのに言葉遣いの悪いところを隠そうともしない静波まつりである。

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というか、LINEスタンプも売っている静波まつりである。

 

アナウンサーもまつり大好きなボートレース多摩川。しかし競技場のマスコットキャラクターがこんな可愛い二次元美少女であることを、選手たちはどう思っているのだろう? これはちょっと気になるところである。

 

これは今年多摩川で行われた「ウェイキーカップ」に関する記事。

徳増秀樹の嫁は静波まつり!?「一層濃く」/多摩川 - ボート : 日刊スポーツ

なお、徳増選手はトップレーサーの一人であり、つい先日「グランドチャンピオン」という大レースで優勝した際には、静波まつり選抜戦にて阿部アナを介してまつり嬢からも祝福のメッセージが送られている。

 

ちなみにまつり嬢自身はイケメンレーサーの代表格と言われる地元出身の若手トップレーサー永井彪也選手のファンなのであった。ある日の静波まつり選抜戦は、1コースに永井選手、3コースに徳増選手という対決、つまり静波まつりを巡る選手両者の三角関係レースだったのである。

このときの阿部アナウンサーがとても楽しげに実況していたことは言うまでない。場内アナウンサーにも選手にも愛されている静波まつりなのだ。

 

……余談だが、ボートレースも競艇も、そしてなにごとにつけてもそうであろうが、「推し」が出来ると一気にのめり込んでしまうものだ。わたしの場合はまず(選手かどうかは曖昧ながら)「静波まつり推し」からボートレースにずっぽしとハマってしまったが、1600人を超える現役のボートレーサーは223人の女子レーサー、最年長の高塚清一選手は何と御歳73才であり最年少の野田彩加選手はまだ16才、つまりしぶいおじさまからティーンエイジャーまで、年齢層も幅広く、きっとあなたの推したくなる選手がいるはずである。

わたしが(まつり嬢以外に)推しているのは、群馬出身の21才の若手選手・伊久間陽優(いくま・ひゆう)くんである。

伊久間くんの記事(【ニューヒーロー列伝】伊久間陽優 - サンスポZBAT!競馬

この記事にて取り上げられているレースは現地で観ていた。若手ながら豪快なまくり差しで勝った姿に痺れ、すっかりファンになってしまった。師弟制度のあるボートレース界において、トップレーサーの一人である毒島誠選手の弟子として日々果敢にレースに挑んでいるので、もし見掛ける機会があったら是非とも応援してあげて欲しい。

 

 

◆もう少しでまつりに会いに行ける!

 

今年、世界は新型コロナウイルスの被害に見舞われた。

各種スポーツにもプロ野球の開幕が大幅に遅れるなどその影響は及び、ボートレースも例外ではなかった。開催こそしていたものの、二月下旬以降は無観客で行われるレースの舟券スマホや電話で購入し、ウェブで視聴するという形での楽しみかたに限られていた。

それでも選手たちは日々水面で熱い戦いを戦いを繰り広げているし、多摩川で開催があるときには静波まつりがTwitterでキャッキャしている。

 

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じぶんの誕生日(6月9日=多摩川競艇場の開設された日)だからと舟券購入を求める、いつでも直球な静波まつり

 

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場外発売再開でひゃっほーいする静波まつり

 

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これらのツイートをこのブログに引用していいか訊いたらフランクにリプライをくれる静波まつり

 

あとyoutubeでゲーム実況する(https://m.youtube.com/watch?v=LdbOBdx6ip8)静波まつり

 

静波まつりは多摩川の水面でいつでも我々を待っているのだ。7月19日(日曜日)からはいよいよボートレース多摩川の入場門が開く。まだボートレースを観たことがないというかたにも、是非とも(あまり密にならない範囲で)ボートレース多摩川に足を運んで頂きたく思う。

そして、是非ともレース前には競技水面近くまで歩み寄って頂き、水面のバックストレッチ側のビジョンにご注目いただきたい。

ピット(出走前の待機場所)のスタンバイが整うころ、フィラー(発走前映像)の映し出されるビジョンには、思わず声が漏れるぐらいの美少女が現れるのだ。

 

「いっくよー、いちれーす!」

 

ぷりぷりと動く! 喋る! ストロベリーアイスのように甘くて可愛い静波まつり嬢の様子は是非とも現地で、みなさん自身の目で確認してみて欲しい。

 

◆まつりちゃんのホームへのアクセス

 

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ボートレース多摩川へは、西武多摩川線競艇場前駅が最寄、JR府中本町駅京王線多磨霊園駅から無料シャトルバスも便利。運が良ければ静波まつりラッピング痛バスに乗ってまつりちゃんに会いに行ける!(無観客解除後のバスの運行などについてはボートレース多摩川公式ホームページ ボートレース多摩川オフィシャルでご確認くださいませ。

 

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なお多摩川には「元祖」マスコットキャラクターの「ウェイキー」という鳥さんもいるんですよ。