東京レトロポリタンク

BL小説家(志望)の男の興味の矛先。

無関係なお祭

今日から夏コミなんだった。


おれはもう五年以上同人活動をしていない。たまに知り合いが作る同人誌に請われて短編を寄せるぐらいで、あとはもう、イベント会場にもほとんど行かなくなってしまった。行ってもあんまし得にならねえな、と思うようになってしまったからだ。

それは端的に、お金の話だ。


小説の同人誌は売れない。漫画のそれに比べると、びっくりするぐらい売れない。それをよく理解して手を付けないと、ほんとに驚くくらいマイナスが出てしまうのだ。

つまんない本はもっと売れない。

二次創作なんかだと、旬じゃないジャンルの本はもう、内輪でぐるぐるまわってるぐらいのもんじゃないのか(と言って、おれはコミケに行くたび毎回ぜんぜん知らないジャンルの同人誌を買ってたけど)


売れない条件を全部満たした同人誌を作っていたので、当然売れるわけがなくて、たまーに売れたかと思うと「有名な同人漫画家が表紙を描いてくれた旬のジャンルの二次創作小説」で、祈るような気持ちを込めて書いたオリジナルの小説なんてもんはもうほっとんど売れなかった。

売れない、となると印刷費がそのままマイナスになるわけで、……こんなのやってられっか、と辞めてしまったんだ。

しかし売れ線を書き続けていたらもうちょっと儲かっていたのかな……、と思うことはある。あのとき貪欲に売れ線を書き続けていたら……? ひょっとしたら今頃とうの昔に小説家になれていたかもしれないな、と。